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宅建免許 Q&A

宅建免許と宅建士は何が違いますか?事業者の免許と人の資格

公開 2026年9月23日 |監修 小野 好聡(行政書士・公認会計士・税理士)

お答えします

「宅建」は二つの制度を指しています。宅地建物取引業免許(宅建業免許)は、会社や個人事業主が宅地や建物の売買、交換、貸借の代理や媒介を業として営むために、国土交通大臣または都道府県知事から受ける免許です。宅地建物取引士(宅建士)は、人が試験に合格して都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受ける国家資格です。免許は事業者に、資格は人に与えられます。二つをつなぐのが、事務所ごとに業務に従事する者の5分の1以上の専任の宅地建物取引士を置く義務です。本サイトが扱うのは免許の側です。

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一解説

くわしい解説

「宅建」が指す二つの制度

不動産の仕事で「宅建」と呼ばれるものは、二つあります。名前が似ていますが、受ける相手も、手続きも、根拠の条文も違います。

一つは、宅地建物取引業免許(宅建業免許)です。宅地建物取引業法2条2号の宅地建物取引業とは、宅地や建物の売買もしくは交換、または宅地や建物の売買、交換もしくは貸借の代理もしくは媒介をする行為で、業として行うものです。これを営むには、3条1項の免許が要ります。免許を受けて営む人が、2条3号の「宅地建物取引業者」です。免許は事業者が受けるもので、4条の免許申請書には、法人ならその役員の氏名を、個人ならその人の氏名を書きます。法人でも個人事業主でも受けられます。

もう一つは、宅地建物取引士(宅建士)です。2条4号のとおり、22条の2第1項の宅地建物取引士証の交付を受けた人を指します。都道府県知事の行う試験に合格し、18条1項の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けて、はじめて宅地建物取引士になります。こちらは人が取る国家資格で、会社が受けるものではありません。

本サイトが扱うのは、免許の側です。試験や資格の取り方は扱いません。

免許は誰が出し、資格は誰が登録するか

免許を出す人は、事務所の分布で決まります。3条1項のとおり、2つ以上の都道府県に事務所を置いて営むなら国土交通大臣の免許です。1つの都道府県の中だけに事務所を置くなら、その事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許です。この区分は事務所の場所だけで決まり、営業できる地域を分けるものではありません。

資格の登録先は、18条1項のとおり、その試験を行った都道府県知事です。免許の「知事」と登録の「知事」は、同じ県であっても別の手続きで、別の名簿です。免許を受けた業者の名簿と、登録を受けた宅地建物取引士の名簿は、一つにはなりません。

二つの制度の接点は、事務所ごとに置く専任の宅地建物取引士です

31条の3第1項は、宅地建物取引業者に対して、事務所ごとに、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置くことを義務づけています。その数は施行規則15条の5の3にあり、事務所で業務に従事する者の数に対する宅地建物取引士の数の割合が5分の1以上となる数です。「専任」は、その事務所に置かれてその業務に就いている、という意味の法律の語です。常勤の扱いなど細かな運用は、都道府県が公表している基準によります。

ひとりで開業する場合も、この義務は変わりません。31条の3第2項により、法人の役員や個人業者の本人が宅地建物取引士であれば、自ら主として業務に従事する事務所では、その人が専任の宅地建物取引士とみなされます。本人が宅地建物取引士でない場合は、専任の宅地建物取引士を雇って置くことになります。この場合の免許の取り方は、別の記事で扱います。

この要件を欠くと、免許は下りません。5条1項15号は、事務所について31条の3の要件を欠く者に免許をしてはならないと定めています。4条の申請書にも、事務所ごとに置く専任の宅地建物取引士の氏名を書きます。免許を受けた後に要件を欠く状態になったときは、31条の3第3項により、2週間以内に要件に合わせるための措置を執らなければなりません。

宅地建物取引士を置く理由は、宅地建物取引士だけがする事務があるからです。35条1項のとおり、契約が成立するまでに、宅地建物取引士をして、重要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければなりません。

資格だけでも、免許だけでも、営業はできません

宅地建物取引士の資格を持っていても、免許を受けなければ宅地建物取引業を営めません。12条1項は、3条1項の免許を受けない者が宅地建物取引業を営むことを禁じています。同じ条の2項により、免許を受ける前に宅地建物取引業を営む旨の表示をすることや、営む目的で広告をすることも禁じられています。違反すると、79条2号により、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。

免許があっても、専任の宅地建物取引士を欠く事務所は開けません。31条の3第3項は、要件に抵触する事務所を開設することを禁じています。免許と資格は、どちらか一方では足りない関係にあります。

どちらにも「5年」がありますが、別物です

免許の有効期間は、3条2項のとおり5年です。宅地建物取引士証の有効期間も、22条の2第3項のとおり5年です。数字は同じですが、免許の更新は業者が免許権者に申請し、宅地建物取引士証の更新は宅地建物取引士が登録先の都道府県知事に申請します。会社の免許の更新をしても、社員の宅地建物取引士証は更新されません。

名義貸しは、業者の側も宅地建物取引士の側も処分の対象です

13条1項は、宅地建物取引業者が自己の名義で他人に宅地建物取引業を営ませることを禁じています。同じ条の2項により、自己の名義で他人に営む旨の表示や広告をさせることも禁じられています。違反して他人に営ませた業者は、79条3号により、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金の対象です。

宅地建物取引士の側にも定めがあります。68条1項により、他人に自己の名義の使用を許し、その他人が宅地建物取引士である旨の表示をしたときは、登録先の都道府県知事から指示を受けます。従事していない事務所の専任の宅地建物取引士である旨の表示を業者に許したときも同じです。指示に従わない場合などには、同じ条の2項により、1年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を禁止されます。専任の宅地建物取引士を名義だけ借りて免許を申請する形は、両方の側で違反になります。

※本記事は制度の一般的な説明です。個別の事情への当てはめは、行政書士または免許権者(都道府県の担当課・地方整備局等)にご確認ください。

二一次情報

根拠となる法令・公式資料(原文)

宅地建物取引業法 第二条第二号(抜粋)

二 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第二条第三号・第四号(抜粋)

第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。

三 宅地建物取引業者 第三条第一項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。

四 宅地建物取引士 第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第三条第一項・第二項・第四項・第五項(抜粋)

第三条 宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。

2 前項の免許の有効期間は、五年とする。

4 前項の免許の更新の申請があつた場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、従前の免許は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。

5 前項の場合において、免許の更新がなされたときは、その免許の有効期間は、従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第四条第一項(柱書・第二号から第五号まで)(抜粋)

第四条 第三条第一項の免許を受けようとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣に、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、次に掲げる事項を記載した免許申請書を提出しなければならない。

二 法人である場合においては、その役員の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名

三 個人である場合においては、その者の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名

四 事務所の名称及び所在地

五 前号の事務所ごとに置かれる第三十一条の三第一項に規定する者(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の氏名

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第五条第一項(柱書・第十五号)(抜粋)

第五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合又は免許申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、免許をしてはならない。

十五 事務所について第三十一条の三に規定する要件を欠く者

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第十二条

第十二条 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。

2 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第十三条

第十三条 宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に宅地建物取引業を営ませてはならない。

2 宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に、宅地建物取引業を営む旨の表示をさせ、又は宅地建物取引業を営む目的をもつてする広告をさせてはならない。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第十八条第一項(柱書)(抜粋)

第十八条 試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通省令の定めるところにより、当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第二十二条の二第一項・第三項(抜粋)

第二十二条の二 第十八条第一項の登録を受けている者は、登録をしている都道府県知事に対し、宅地建物取引士証の交付を申請することができる。

3 宅地建物取引士証(第五項の規定により交付された宅地建物取引士証を除く。)の有効期間は、五年とする。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第三十一条の三

第三十一条の三 宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。

2 前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が宅地建物取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。

3 宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第三十五条第一項(柱書)(抜粋)

第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第六十八条第一項・第二項(抜粋)

第六十八条 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。

一 宅地建物取引業者に自己が専任の宅地建物取引士として従事している事務所以外の事務所の専任の宅地建物取引士である旨の表示をすることを許し、当該宅地建物取引業者がその旨の表示をしたとき。

二 他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をしたとき。

三 宅地建物取引士として行う事務に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

2 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が前項各号のいずれかに該当する場合又は同項若しくは次項の規定による指示に従わない場合においては、当該宅地建物取引士に対し、一年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止することができる。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-22 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法 第七十九条

第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 不正の手段によつて第三条第一項の免許を受けた者

二 第十二条第一項の規定に違反した者

三 第十三条第一項の規定に違反して他人に宅地建物取引業を営ませた者

四 第六十五条第二項又は第四項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

宅地建物取引業法施行規則 第十五条の五の三

第十五条の五の三 法第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める数は、事務所にあつては当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する同項に規定する宅地建物取引士(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の数の割合が五分の一以上となる数、前条に規定する場所にあつては一以上とする。

出典:e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012)/2026-09-04 時点の e-Gov 法令検索(現行法令)
根拠法令等:宅地建物取引業法施行規則(昭和三十二年建設省令第十二号)

※引用は原文のままです。読みやすさのため改行位置を調整し、一部を抜粋している箇所があります。最新の内容は必ず出典元のページでご確認ください。

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